AVシステムの設計・構築に携わっていると、現場からこんな声を受け取ることが少なくありません。
- 「誰でも簡単に操作できるようにして欲しい」
- 「操作ミスや設定が変わるのが怖いので、なるべく機器に触りたくない」
- 「スタジオではほぼワンオペで、ラックや調整卓の機器操作は物理的にも大変」
- 「本番で操作ミスしないように配置やラベル付けを工夫しているが、そんな環境をもっと簡単に構築したい」
一方で、業務用AV機器はネットワーク化や高度化が進んでいます。
高機能でユーザーフレンドリーなインターフェースを兼ね備えた機器もたくさんあります。
ただ、その現場にちょうどいい操作パネルを用意しようとすると、特注になりがちで費用や納期がかさみ、ちょっとした修正にも手間がかかる――。
私たち自身、映像・音響システムの設計・構築を数多く手がける中で、この課題に何度も向き合ってきました。そもそもAVシステムは、業務効率や生産性を向上させることが目的です。簡単に活用できるシステムでないと意味がありません。
そして、こんな思いを抱くようになりました。
- 現場に合った操作パネルを簡単に構築できれば、より多くの方にAVシステムを活用してもらえる
→結果的に業務効率化・生産性向上に貢献できる! - 現場に合った操作パネルを簡単に構築できれば、高度なAVシステム構築のコストを下げられる
→AVシステムの導入が広がり、もっと多くの人が映像・音響の力を活かせるようになる!
SOEシステムズは、この思いからAVシステムの操作パネル構築をノーコード ・ローコードで可能にするAV制御アプリケーション「SDC Studio(Simple Device Controller)」を開発し、2026年7月上旬にダウンロード提供を開始します。
これまでのAV制御システムは「特注の操作盤やアプリを作成するか」か「機器付属のリモコンやアプリでまかなう」かの両極端しか選びにくい面がありました。SDC Studioは、その中間にある “難しいプログラミング不要で自分たちで内製する” という選択肢を提供します。
目次
1. なぜ「SDC Studio」が必要だったか
2. ノーコードで“専用操作パネル”を作れる「SDC Studio」
3. 作って、現場の操作PCに入れて運用する
4. 操作パネルを作るときに意識したい3つのこと
5. 様々なシーンに価値を提供します
6. 提供開始は2026年7月上旬から!
1. なぜ「SDC Studio」が必要だったか
オフィスの会議室、大学の講義室、放送・スタジオ、イベント・ホール。AV機器のネットワーク化が進むほど、AV制御システムをどう”操作”に落とし込むかが、構築側の課題としてのしかかってきます。
- 機器ごとに操作がバラバラ
AV機器は専用アプリやWebブラウザで操作できるものも増えましたが、複数の機器を簡単に一括操作するのは簡単ではありません。 - 本当に必要なのは一部の操作
日常的に使うのは、ほぼ決まったボタンだけなのに、個別リモコンやアプリは情報過多で、「分かる人しか触れない」という属人化を生む原因となります。 - 特注もいいが課題も多い
現場ごとに専用の操作パネルを特注すれば解決しますが、設計・プログラミング・実機調整に費用と時間がかかり、軽微な変更でも再依頼が必要になりがちです。
特に見落とされがちなのが、納品後のコストです。レイアウトを少し変えたい、機器を1台足したい。そんな小さな変更のたびに外部への依頼が発生すると、現場の「こうしたい」がスムーズに反映できません。作り手にとっては、初期構築よりもむしろ“その後”こそ悩みの種になりがちです。
こうした課題に対して、もっと手軽な方法に目を向ける人も増えています。配信分野で広く普及したStream Deckのようなボタン型コントローラーは、その代表格です。LCD付きの物理ボタンにアイコンを並べ、ワンタッチで操作をまとめられる手軽さは大きな魅力です。
ただ、Stream Deckの仕組みの中心は、PC上のキーボードショートカットやアプリ操作を物理ボタンに割り当てること。いわば “パソコンの操作”を押しやすくするデバイスで、プロジェクターやスイッチャー、カメラといったAV機器そのものを直接動かすものではありません。
結局のところ、「使う人にやさしく、作る側にも軽く、そしてAV機器そのものを直接動かせる」
この3つを同時に満たす手段は、これまで意外と少なかったのです。だからこそ、その現場に必要な操作だけを並べた“専用操作パネル”を、もっと手軽に作れる仕組みが求められていました。
2. ノーコードで“専用操作パネル”を作れる「SDC Studio」
難しいプログラミングなしで、AV機器の操作パネルを作れるアプリ
作り方は、画面にパーツを置いて並べるだけ。1タップで1つのコマンドを実行するボタン、オン・オフのトグル、音量などのスライダー、選択式のドロップダウン、そしてカメラやスイッチャーの映像をその場で映すビデオモニターなど、用途に応じたパーツ(ウィジェット)をドラッグ&ドロップで配置します。
あらかじめプリセットを用意しているので、選んで並べればすぐ制御を始められます。プリセットにない機器も、TCP/UDP/HTTPプロトコルなら、自分でコマンドを追加して組み込めます。(プリセットは今後も継続的に拡充予定)。
さらに、「プロジェクター電源オン → ラック電源オン → スクリーン降下」のような定型操作をワンタップにまとめるシーケンス、機器の現在値を画面に反映する状態フィードバック、ビデオモニターウィジェットによるRTSP/SRT映像の表示にも対応。定型作業の自動化から、現場での微調整まで1つの画面でカバーできます。
作ったパネルは、現場をまたいで流用できます。よく使う構成を雛形として手元に残しておけば、次の現場ではベースとして再活用できます。現場をこなすほど、構築のスピードと品質は積み上がっていきます。

3. 作って、現場の操作PCに入れて運用する
SDC Studio は、作るためのアプリと、現場で操作するためのアプリが分かれているのが大きな特徴です。
操作パネルはSDC Studioで作成し、書き出したデータを操作専用のSDC Operatorに取り込みます。SDC Operator は実行に特化しているため画面はシンプルで、全画面表示やPC起動時の自動起動にも対応。市販のWindowsタッチパネルPCを、そのまま専用コントローラーのように使えます。専用の制御機器を一から手配しなくても、汎用機器を活かして始められます。


4. 操作パネルを作るときに意識したい3つのこと
本ツールが手軽でも、作り方しだいで現場での使われ方は変わります。“渡して終わり”にならない操作パネルにするためのポイントを3つご紹介します。
- 本当に使う操作だけに絞る
全機能を載せる必要はありません。日常的に使う操作に絞るほど画面はすっきりし、操作ミスも減ります。「足りなければ後から足す」引き算の発想が近道です。 - 目線や手の動きと連動した配置
よく使うボタンは、目線や手が自然に届く位置に置き、使用頻度は少ないが間違えたくない操作は少し離して配置し、色分けでも区別すると分かりやすくなります。関連する操作どうしを近くにまとめておくと、視線も手も迷いません。 - 定型手順はシーケンスにまとめる
毎回同じ順番の起動・終了作業はボタン一つに集約。手順書を見ながらの操作から解放され、「やり忘れ」も防げます。
SDC Studio には作成画面でそのまま動きを確認できるプレビュー機能もあるので、SDC Operatorにインポートせず、操作感の確認や動作検証を行いながら仕上げることができます。
5. 様々なシーンに価値を提供します
SDC Studio で作った操作パネルは、規模や用途の異なるさまざまな現場に展開できます。いくつか具体的なイメージをご紹介します。
- 会議室・オフィス
来客や他部署の人が使う会議室でも、設備担当者の補助を必要とせず誰でも簡単にスムーズな会議進行を実現します。役員会議室から少人数のハドルスペースまで、会議の効率化を促進し生産性向上に貢献します。 - 大学・講義室
「授業開始」ボタン一つでプロジェクター・音響・カメラをまとめて立ち上げ。難しいハイブリッド授業や収録の運用までカバーし、授業・教材の品質向上に貢献します。 - 放送・スタジオ
ニュースなどの定型に近いオペレーションはSDC Studioの操作パネルで短時間・ワンオペ完結。限られた時間や人材リソースを本来取り組むべきクリエイティブな作業に割り当て、コンテンツの品質向上に貢献します。 - イベント・ホール
現場ごとに最適な操作パネルで、リハーサルから本番まで安定したオペレーションを実現します。メインオペは機器本体で、遠隔からタブレット端末で補助するなど、確実なイベント進行に貢献します。
6. 提供開始は2026年7月上旬予定!
SDC Studioは、2026年7月上旬の提供開始を予定しています。対応OSは Windows 10/11 です。
無料版もご用意していますので、まずは手元の機器でどこまで作れるかを試したい方も、複数の部屋・拠点への展開を見据えている方も、構築のスタイルに合わせてご活用いただけます。
提供開始に先立ち、製品サイトで「公開のお知らせ」を受け取れる先行登録を受付中です。ご登録いただいた方には、公開時にメールでご案内します。最新機能や対応機器の情報も、製品サイトで順次ご紹介していきますので、検討の材料にしていただければと思います。
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